どんな相手とも分かり合える「ナラティブ・アプローチ」

貴社の職場の人間関係はいかがですか?

私はこれまで7社に所属したことがありますが、すべての会社で人間関係のトラブルを抱えていました。会社組織だけではありません、地域のコミュニティーや同窓会、家庭においても、人間関係のトラブルは付きものです。

これらの人間関係のトラブルの主要因は「分かり合えない」ことです。よく話してみたら「あぁ、そういうことだったのか!」と誤解が解消されて人間関係が和解することが多々あります。

人間関係はギクシャクしている会社はパフォーマンスが上がりません。
そこで、今回は、どんな相手とも分かり合える「ナラティブ・アプローチ」をご紹介いたします。

ナラティブ・アプローチとは

「ナラティブ」とは、私たち一人一人が持っている「自分自身の物語」のことで、一人ひとり違います。
なぜ、他人と分かり合えない事象が発生するかというと、それぞれが「自分自身の物語」を基準に話をしているからです。
 
では、それぞれが保有している物語に対して、どのようにアプローチしていけばよいのでしょうか。
2つの事例をご紹介いたします。

事例①|仕事の依頼を受けてもらえない

商品開発部が営業部に、既存顧客への新商品の販売を依頼しました。
 
営業部としては、既存の仕事だけで忙しいし、ましてや販売実績のない新商品の販売となると不確かな要素が多いため乗り気ではありません。
 
一方、商品開発部は営業機能をもっていないので、新商品を販売するにあたり営業部に依頼せざるを得ません。
 
このように営業部と商品開発部それぞれの物語があります。
 
それでは、分かり合えるためにどうすればよいのか。
ここで登場するのが「ナラティブ・アプローチ」です。
 
商品開発部は、今回の依頼を一旦脇に置いて、営業部に現状の課題をヒアリングすることしました。
そうすると、現在の商品ラインアップでは競合他社の商品と差別化が効いておらず価格競争に陥っている…という課題があることがわかりました。
 
そこで、商品開発部は新商品と既存商品をパッケージ化し、差別化につながるようなプロモーションを考えて、営業部に新商品の販売を再提案しました。
 
営業部としても、競合商品との差別化が課題であったため、新商品の販売に心から同意しました。

事例②|採用面接で会話がかみ合わない

私が転職活動していた時、某大手企業の人事管理職の面接を受けたことがあります。
 
面接官からプライベートの時間の使い方をきかれたので、私は次のように答えました。
 
“「毎日終電まで仕事をしていて、土日も企画書等を作成しているのでほとんどプライベートの時間はありません。」”
 
私の経歴はベンチャー企業が中心で、毎日終電まで仕事をすることが当たり前でした。そして、それくらい仕事に没頭していることを誇りに思っていました。
 
ところが、面接官から意外な言葉が返ってきました。
 
“「そんな時間まで仕事をしていたら、会社の信用に関わるよ。」”
 
当時の私は驚いて言葉を失いました。
なぜなら、私は管理職だったので、残業をしても法的に何の問題もないと考えたからです。
 
その他にもいくつか「分かり合えない」ことが発生し、この面接は不合格になりました。
 
あとで気づいたことですが、当時は大手広告会社の長時間労働による自殺問題などが発生し、長時間労働を是正しなければならないというムードが漂っていました。
 
私が長時間労働を気にしていないだけで、大手企業の人事であれば配慮していて当たり前だと思えました。
 
このケースは、面接官と私のナラティブに大きな開きがあったのです。
私が先方のナラティブに寄り添う姿勢があれば、「分かり合えていた」と思います。

まとめ

2つの事例の話はどこにでも転がっている話かと思いますが、いかがでしたでしょうか。
 
わたしたちは、相手の物語を「変える」ことはできませんが、相手の物語を「理解」し「歩み寄る」ことはできます。
 
職場の人間関係は「ナラティブ・アプローチ」を積み重ねることで飛躍的に改善していきます。ギクシャクしていた雰囲気がパッと明るく変化しエネルギーに満ち溢れた職場になります。
 
興味がある経営者の方はぜひトライしてみてください。
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